■不貞行為とは
不貞行為とは、どのような行為のことを意味しているのでしょうか。世間では、浮気や不倫、不貞といった様々な言葉が使われています。しかし、不貞行為の意味を正しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。ここでは、不貞行為の正しい意味と、不貞行為が発覚した場合に、どのように対応すればよいのかといったことについて説明していきます。
●もし不貞行為が発覚したら
もし、あなたの配偶者が不貞行為をしていたことが分かったら、どのように対応すればよいのでしょうか。怒り・悲しみの感情や、許せないといった思い等、様々な感情が湧いてくるかもしれません。難しいかもしれませんが、まずは冷静になって、今後のことを考えていく必要があるでしょう。夫婦で話し合いができる場合には、じっくりと話をしてみることも大切であるといえます。
法的なアプローチとしては、大きく2つの方法が考えられます。それは、①離婚を検討する②慰謝料を請求するということです。
まず、①離婚を検討するについてですが、不貞行為は、法的にみて、離婚事由にあたります。民法においては、定められている法律上の離婚事由の1つに、「配偶者に不貞な行為があったとき」との規定があります。不貞行為はこれに該当し、法的に離婚が認められます。では、法的な離婚事由にあたるということは、どのような意味があるのでしょうか。
離婚の仕方にはいくつかありますが、最も一般的に行われているのは、「協議離婚」という、夫婦の話し合いによる離婚の方法です。しかし、相手に拒まれて話し合いができず、離婚したくても協議ができないことも考えられます。そのような場合には、調停や裁判を行います。調停でも、結局は双方の合意を必要としますから、最終的には裁判をすることになります。しかし、いかなる理由でも裁判所が離婚を認めてくれるわけではありません。裁判離婚が成立するには、法的な離婚事由に該当しなくてはならず、不貞行為が「配偶者に不貞行為があったとき」に該当することが、重要な意味を持つのです。
次に、②慰謝料を請求するについてですが、誰に慰謝料を請求するのか、ということも考えなくてはなりません。これは、不貞行為をしていた自分の配偶者と、その不貞相手のどちらか、もしくは双方となります。慰謝料は、不貞されたことによる精神的な損害を補償するものとなります。もし、不貞行為が原因となって離婚するに至ってしまった場合には、婚姻関係を揺るがすような損害として、慰謝料を請求することができます。また、不貞行為が行われていた期間の長短や、不貞行為の回数や頻度によって、慰謝料の額が増減します。
しかし、不貞行為が行われる前から、すでに婚姻関係が破綻していた場合には、そもそも慰謝料請求が認められない可能性があります。なぜなら、慰謝料が認められるためには、権利が違法に侵害されていることを要しますが、すでに婚姻関係が破綻しているのであれば、婚姻生活の平穏といった権利・利益が存在していないからです。
●どこからが不貞行為となるのか
すでに確認した通り、不貞行為が行われれば、離婚に致ることもありますし、慰謝料の請求を行うこともできます。そのような不貞行為ですから、その意味を正しく理解しておく必要があります。
不倫や浮気といった言葉は、世間一般でよく使われており、耳にすることも多いでしょう。では、どのような行為が不倫や浮気に当たるのでしょうか。例えば、自分のパートナーや配偶者が、自分以外の異性と2人でデートをしていた、キスをしていた、手をつないでいた、頻繁に連絡を取り合っていた、といった行為があったとします。これらの行為は、多少解釈の違いはあれども、不倫や浮気として捉えられることの多いものでしょう。しかし、これらはいずれも不貞行為には当たりません。
不貞行為とは、配偶者以外との肉体関係を持つことをいい、肉体関係のない行為は不貞行為とはいえないのです。
そうであるならば、離婚や慰謝料を請求したい場合に、不貞行為があったことを証明するためには、配偶者が自分以外の異性と肉体関係を持っていたことを証明しなければなりません。不貞行為が疑われる場合には、証拠として、画像や動画のほか、泊まりでデートしていたことが分かるようなメールのやり取りといったものを集めておくことになります。
■離婚に関するご相談は当事務所まで
新埼玉法律事務所では、離婚に関するご相談を幅広く承っております。いかなる行為が不貞行為となるのか、また、不貞行為の疑いがある場合の対応についてお悩みの際には、弁護士 大谷部雅典までお気軽にご相談ください。
どこから不貞行為と認められる?
弁護士 大谷部 雅典(新埼玉法律事務所)が提供する基礎知識
-
公正証書遺言の内容と遺留分、優先されるのはどっち?
公正証書遺言とは、自筆証書遺言や秘密証書遺言に比べ、厳格な手続きで作成されるためその信用性や有効性が...
-
公正証書を作成するメリット
■公正証書とは 公正証書とは、法律のプロである公証人が、その権限に基づき、公証役場で作成してくれる文書...
-
【弁護士が解説】相手が離婚に応じてくれない場合の対処法
離婚をしたいにもかかわらず相手が応じてくれない場合、まずは別居をすることをおすすめします。長期間の別居...
-
相続財産を調査する
相続の際、特に遺産分割にあたっては、被相続人(亡くなった方)がどれだけの財産債務を有していたか、すなわ...
-
相続の承認または放棄をおこなう
相続人は、相続開始から3ヶ月以内に、相続財産について、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれの方法をとる...
-
不倫した妻と離婚するには
「単身赴任中に妻の不倫が発覚した。離婚を検討しているが、妻には拒否されている。どうにか離婚することはで...
-
債務不履行
債務不履行には、①履行遅滞②履行不能③不完全履行の3種類があると言われています。 ①履行遅滞とは、債...
-
【弁護士が解説】相続放棄できないケースとは?
相続が発生した際、被相続人の方(=お亡くなりになった方)に借金があった等の理由で相続放棄が行われるこ...
-
遺言書・遺言の検認をおこなう
相続が開始したら、まず、遺言書の有無を確認する必要があります。 遺言があった場合、基本的には法定相続分...