離婚協議書を作成する際に、公正証書化するという話を耳にしたことがあるかと思います。
しかし、公正証書が何かわからない、わざわざ手間をかけて公正証書化するメリットを知りたいといったお声をいただくことが多々あります。
当記事では、離婚協議書を公正証書にする方法やメリットについて詳しく解説をしていきます。
離婚協議書を公正証書にする方法
公正証書を作成する際には、当事者同士で合意を得た上で所定の手続きが必要です。
また、作成をする際には、当事者双方が参加する必要があり、当事者の一方だけで作成することはできません。
離婚をする際に、離婚協議書を2人で取り交わして、その内容に合意ができた場合には、公証役場に公正証書の作成を申し立てて、双方が出向くことのできる日時に公証役場にて作成を行います。
もっとも、離婚協議書の内容や表記に問題があったり、契約条件が明確になっていないような場合には、公正証書を作成することができません。
このような事態を避けるために、離婚協議書を作成する際には、弁護士に立ち会ってもらい、不備のないものを完成させることが望ましいです。
離婚協議書を公正証書化しておくメリット
離婚協議書に記載する離婚の条件の内容として主なものは、慰謝料、財産分与、養育費の額や支払日などについてです。
しかしながら、これらの額を支払う側が、時間が経つにつれて支払いを怠ったり、同意した額よりも少ない額しか支払ってくれないといったケースが非常に多くなっています。
そこで離婚協議書を公正証書にしておくメリットがあります。
公正証書が作成された後は、原本が公証役場にて保管されることとなるため、まず紛失や偽造のおそれがありません。
仮に写しを偽造した場合であっても、原本を確認すれば偽造箇所がすぐに明らかとなるため、支払い額を相手が減らしてきた場合であっても言い逃れをすることができません。
また、先ほど公正証書について解説した際に少し触れた点となりますが、公正証書には高い証拠能力があります。
そのため、強制執行や裁判手続きなどを行う際に、通常の離婚協議書と比較すると、真正に作成されたことが容易に証明することが可能であるため、スムーズな手続きが可能です。
さらに、強制執行認諾文言付き公正証書にしておくことで、即時に強制執行が可能になるというメリットもあります。
通常強制執行をする場合には、裁判を起こして勝訴判決を得なければならず、時間や労力などの負担がかなり大きいものです。
しかしながら、強制執行認諾文言付き公正証書では、勝訴判決を得ることなく直ちに強制執行に踏み切ることができるというメリットがあります。
また、この強制執行認諾文言付き公正証書の存在そのものが、相手への心理的なプレッシャーとなるという点もあります。
強制執行が実行される際には、自身の財産から充当されることとなりますが、その中には給与も含まれています。
もし、給与が差し押さえられてしまった場合には、会社の経理や人事部などからの社会的な信用が落ちてしまう可能性があります。
相手は否が応でも支払いの遅滞を避けることとなるでしょう。
こういった面でも、離婚協議書を公正証書にすることにメリットがあるといえます。
離婚に関することは新埼玉法律事務所にお任せください
離婚協議書を公正証書化するためには、離婚協議書の内容をしっかりと定めておかなければなりません。
しかし、離婚協議書の作成は法律に詳しくない一般の方では、難しい面が非常に多いため、法律の専門家である弁護士に依頼をした方が良いでしょう。
新埼玉法律事務所では、離婚協議書などをはじめとした不倫や男女問題に関するトラブルも専門的に取り扱っておりますので、お困りの場合は一度ご相談にお越しください。
