ご家族が亡くなった際、亡くなったご家族の財産を引き継ぐ相続が発生します。
まずは民法という法律で決められたルールに従って相続する人(=相続人)を確定していきます。
相続人が確定したら、実際に財産を引き継ぐ方法や内容について話し合っていくのですが、行方がわからず連絡が取れない相続人がいるケースは珍しくありません。
とはいえ、連絡が取れないと相続の話を進めることができないため、この状況を打破する必要があります。
そこで今回、法定相続人と連絡が取れない場合の対処法というテーマでお話しをさせていただきます。
そもそも行方不明で連絡が取れないというのはどういう状況なのか
今回のテーマにおける「行方不明で連絡が取れない」という状況に陥る一番の要因は、ご家族が突然亡くなり、遺言書もない状態であることです。
というのも、今まで特に連絡をせず疎遠となってしまっていたが、ご家族が亡くなってしまったことで連絡をせざるを得なくなったという場合がほとんどだからです。
相続の話を取りまとめる方法として、遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成するというパターンが定石なのですが、遺産分割協議には相続人全員が話し合いに参加することが必須です。
そこで、相続人を確定させたら、相続の話をする旨の連絡をしていくことになるのですが、電話番号がわからない、かつ住所もわからないという場合は、戸籍の附票を使って住所を調べ、手紙を送ります。
手紙を送ったものの、音沙汰がない状態がなければ、戸籍の附票に記載されている住所に実際に行き、それでも接触ができず、完全に連絡方法が絶たれた状況になって初めて「行方不明で連絡が取れない」といえるのです。
対処法その1:不在者財産管理人の制度を活用する
前述のように戸籍の附票で住所を調べたものの、すでにその住所にはおらず、戻ってくる見込みもなく、完全に連絡方法が絶たれた場合、その人物を不在者として扱い、その人物の財産を代わりに管理する人を選出する必要があります。
不在者の代わりに財産を管理する人のことを不在者財産管理人と呼び、不在者財産管理人は不在者以外の相続人が家庭裁判所に申し立てをし、裁判所が選出をします。
不在者財産管理人に選出されると、文字通り不在者の財産を管理することができるようになりますが、これだけでは、相続の話し合いである遺産分割協議に参加することはできません。
不在者財産管理人が遺産分割協議に参加するためには、家庭裁判所の許可が必要です。
問題なくこの許可が得られれば、行方不明の相続人がいたとしても、不在者財産管理人が代わりに遺産分割協議に参加できるようになるのです。
なお、不在者財産管理人の選出には3ヵ月~6ヵ月かかるので、連絡手段が絶たれたと気づいた時点で動き始めるとよいでしょう。
対処法その2:失踪宣告の制度を活用する
不在者財産管理人の選出を検討するのと同じタイミングで、失踪宣告の制度にも目を向けてみるのも一つの手です。
失踪宣告には7年間以上生死が不明のパターン(普通失踪)と大災害などの危難が去ってから1年間生死が不明のパターン(危難失踪)の2つあり、相続では普通失踪の手続で進めることになります。
失踪宣告の申し立て後、失踪宣告がなされるまでに1年ほどかかり、失踪宣告がなされたその人物は死亡したとみなされ、その上で相続の話し合いをすることになります。
相続に関することは、弁護士 大谷部 雅典にご相談ください
相続においては、まずは相続人を確定させ連絡を取ることが重要です。
しかし、行方不明者がいる場合には、連絡そのものができず、必要な手続きが増えてしまい、時間的にも精神的にも負担が大きくなっていきます。
弁護士に相談することでこのような負担を軽減することができます。
相続に関してお悩みの方は、お気軽に一度弁護士 大谷部 雅典までご連絡ください。